「第9回青少年の性行動全国調査(2023)」
日本性教育協会により1974年からほぼ6年おきに行われている。全国の中学生、高校生、大学生を対象とした、性行動・性意識についての質問紙調査になる。最終的に全国の中学生(17 校 4,627 名)、高校生(17 校 4,321 名)、大学生(56校 3,614 名)から引用してみた。
デート経験率:
1974年男女ともに7割を超える者がデートを経験している。2000年代以降は、男女ともに経験率がやや低下傾向に、2023年の調査は若干の上昇が確認できる。
キス経験率:
1974年の調査から2005年の調査まで男女ともに上昇傾向、その後は低下に転じている。
今回の調査は、1987年の調査とほぼ同水準。
性交経験率:
大学生の経験率は、1974年の調査以降、男子は、1999年の調査、女子は、2005年の調査まで上昇し、女子の経験率が男子に追いつく形で性差が縮小してきた。その後、2017年の調査にかけて低下し、男女差も再びあらわれるようになった。今回の第9回調査では男女ともに経験率はやや上昇し、10 ポイントの性差は維持されている。高校生、中学生は割愛。
性的関心をもった率:
男女で大きく異なっていた。大学生男子の関心率は、常に90 パーセントを超えているが、1999年の調査と2005年の調査の間で低下し、その後、横ばい、微減となっている。大学生女子の関心率は、1999年の調査以降低下傾向が続いている。今回の2023年の調査では過去最低。
「メリットより、リスクを意識。コロナ禍、社会の成熟も影響」
(武蔵大・林雄亮 氏の見解)
「若者のデート・キス・性交経験は、1999年から2005年あたりをピークに、それぞれの年代で減少傾向(中略)1999年から2005年ごろといえば、(中略)若者文化が華やかで、ある意味、節操のなかった時代。(中略)そこから一転、徐々に若者が性に関して保守的になってきたわけです(前略)1990年代ごろまでは恋愛やセックスが価値あるものとして別格に扱われていた。2000年代以降は、社会が成熟し、恋愛やセックスは趣味嗜好の一つになったことがあると思います」
失われた30年で社会全体のモチベーションが低下するとともに、若者が性に向ける意欲も低下していった。近年では、2020年からのコロナ禍も影響している。とくに高校生の性行動の減少が顕著なのは、一般的に性について関心をもち始める思春期に人と接触する機会が失われていたためだ(ヤフー記事引用)
次の価値観が見え隠れする2020年代
90年代から市場の外せない観念となっていたロマンティック・ラブ・イデオロギ―(以下、RLI)が成熟を迎えて、ラブとセックスが趣味趣向の一つになり、従来の婚姻関係を作る観念を維持しながら、違った解釈が次第に生まれていく萌芽を感じる。
従来とのギャップと市場の混乱を生むことは避けられないだろう。それは、その時の人たちが考えることとして、少なくともあと10年はRLIの中で、揉みくちゃなって支援を続けたいと思う。
以下は引用元記事
0コメント